2009年10月24日土曜日

ICCF-15に関する記事(4)

常温核融合は本当だった! その13」で、北村晃博士と高橋亮人博士による「第15 回凝集系核科学国際会議(ICCF15)報告」が公開されていると知りました。

常温核融合は本当だった! その13」と重複するところもありますが、私が興味を惹かれた部分を引用させていただきます。
■引用開始
特筆すべきことは、ICCFシリーズの会議として、権威ある学術団体、イタリア化学会とイタリア物理学会が後援団体となりサポートを得たことであり、この意味で画期的な会議であった。“常温核融合”(凝集系核科学の世間的呼び名)の世界会議は、今までは、主催を選ばれた議長のもとでボランティア中心に企画・運営・実行するケースがほとんどであった。
■引用終了
イタリアの化学会や物理学会が後援していた件は「ICCF-15に関する記事(2)」で引用した「LENR-CANRのニュースページ」にも記載されていました。これは画期的な事だったのですね。

■引用開始
学術発表プログラムは電気分解による発熱現象の実験と理論解釈によって占められていた。Fleischmann-Pons Effect (FPE)を「正統づけんとする意思」が、主催者あるいは、会議の実質的な財政スポンサーとなったイスラエルのEnergetics社(S. Lesin がICCF15 副議長を務めた)とSRI(アメリカ)の関係者から強く働いた跡がうかがえた。
■引用終了
何が「正統」かなんて、どうでも良いと思うのですが、拘る人がいるんでしょうか。異端として虐げられてきた常温核融合研究の中にも「正統」の主張があるのは皮肉ですね。

■引用開始
まず、ミズーリ大学副学長のR. Duncan が、2009 年4 月に米国有力報道局CBS の「CBS 60 minutes」のCMNS/CF の肯定的報道で世界的に知れ渡った、Energetics 視察と発熱現象の確認に至る話を中心に講義して、学術的発表の先頭を切った。有名となった、Energetics+SRI+ENEA の共同研究の成果(発熱、材料分析、ヘリウム)の概略が述べられた。注目されたのは、神戸グループ(神戸大とテクノバの共同研究)のPd ナノ粒子と重水素(軽水素同時並行運転)でのガス吸蔵法による実験結果(PLA373(2009)3109 に刊行)を大きく採り上げて紹介したことである。
■引用終了
ここでもダンカン博士が登場してます。すっかり常温核融合研究者になってしまったみたいですね。この熱中しやすい感じが結構好きです(笑)。

■引用開始
理論のセッションに入れられていたが、A. Takahashiの神戸グループのナノPd 複合粒子パウダーを用いた重水素・軽水素同時ランによるD(H)吸蔵率測定と発熱のデータおよびその背景物理の報告は、ICCF15 でも最も注目された評判の良い発表のひとつであった。
■引用終了
これは「著名論文誌Physics Lettersに固体核融合(常温核融合)論文掲載」で紹介した、北村博士の論文と同じものなのかもしれません。

■引用開始
初日の夕方は、Energetics 社(イスラエル)がホストをしたレセプションが、バチカンの近くにあるサンタンジェロ城にて行われた。レセプションのハイライトは、ISCMNS が新しく設定した「Minoru Toyoda Gold Medal」(MTGM: 国際凝集系核科学会の豊田稔記念金メダル)の第一回受章者Martin Fleischmannへの授賞式であった。MTGM のいきさつが、故豊田稔氏のCMNS/CF 振興への大きな貢献の紹介を含めて、提案者の前ISCMNS 会長のA. Takahashi より紹介されたのち、絶大なる祝福の中でFleischmannに金メダルが手渡された。この賞の紹介は、ISCMNS のweb-site に見られる。
■引用終了
英国の凝集体核科学国際学会の「豊田稔ゴールドメダル」」でも紹介したメダルがフライシュマン博士に授与されました。療養しているフライシュマン博士が会場に現れるとは意外でした。これもCBS番組の賜物でしょうか。今回の心温まるニュースです。

■引用開始
続いて、K. Grabowski (NRL, USA)がMHI型核変換実験の追試結果を発表した。MHIで作製した試料を用いてNRLで実験したが、Cs→Prの核変換を確認できなかった。
■引用終了
この件は、Jed Rothwell氏の「Notes on ICCF15, part 1」にも大きく取り上げられていました。岩村博士の実験の信頼性が揺らいでおり(黄信号)、今後の追試の続報に要注意です。

■引用開始
次回のICCF16はインドのChennaiでM. Srinivasanの主催により2011年2月に開催される予定となった。それに先立つ2010年6月にはTorinoでworkshop on gas-loading methodの開催がイタリアのグループにより計画されている。
■引用終了
来年6月にトリノでガスローディング方式のワークショップが開催される可能性があるのですね。2011年2月は遠いなぁと思っていたので、間近の楽しみが増えて良かったです。

以上

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