2014年11月3日月曜日

ナノ銀によるピッチブレンドの放射線低減実験

ナノ銀による放射線低減実験に興味を持っている私の友人が、たいへん興味深い実験結果を送ってくれました。

ピッチブレンド(pitchblende、瀝青ウラン鉱)と呼ばれる鉱石があります。ピッチブレンドは、ウラニウムやウラニウムの崩壊によって生成されたラジウムなどの放射性物質を含んでおり、強い放射線を放っています。今回の実験では、このピッチブレンドをナノ銀コラーゲン溶液の中に漬け込んで(いわゆるドブ漬け)放射線の低減を観測しています。私と同じく、実験を行った友人はただの素人で、研究者ではありません。実験の組み立て方や測定に不十分な点があるかもしれませんが、ドブ漬けにしたピッチブレンドの放射線を測るという(根気のいる)単純な実験なので、それなりに実験の信頼性はあると考えています。

U8容器の中にピッチブレンドの塊をナノ銀コラーゲン溶液(濃度20ppm)でドブ漬けにした状態の写真と使用した放射線測定器(Inspector+)の写真を以下に示します(2014年1月2日撮影)。

写真1:2014年1月2日(ナノ銀ドブ漬けの測定開始日)の測定状況

具体的な実験の様子と測定値を以下にまとめます。
  • 測定器: Inspector+、β線とγ線の双方を計測します。
  • 測定値: CPS(Count per Second)、秒当たりの放射線検出カウント数です。
  • 測定対象とするピッチブレンドの重量は、29.75グラムです(写真3)。【2014-11-09追記】
  • ピッチブレンドは、U8容器の中に市販の瞬間接着剤で固定してあります。このU8容器にナノ銀コラーゲン溶液(濃度20ppm)を満たし、Inspector+を下に置いた状態で、その上にU8容器を載せてCPS値を計測します。
  • 測定位置を一定とするため、油性マジックでU8容器底面に黒印、Inspector+側に赤印を付け、測定時には2つの線「黒印」「赤印」が重なる状態で測定を行っています(写真4)。【2014-11-09追記】
  • 測定時にはできるだけ3回測定を繰り返すようにしましたが、時には1回だけのこともあります。
  • ナノ銀コラーゲン溶液で計測する前に、水を満たして計測した結果を最初の行に示してあります(2014年1月1日、平均66.26 CPS)。1月2日以降の測定はすべてナノ銀コラーゲン溶液にドブ漬けしたものの結果です。

測定結果: 

以下が放射線量をグラフにしたものです。


測定値のリストは ここ に載せました。

2014年1月2日に測定を開始した時点で3回測定の平均が64.50 CPS、その後も2月上旬くらいまでは同じような計測値が続いています。ところが、3月12日の測定で54.21 CPSに値がガクッと下がりました。その後も若干上下していますが、10月23日の測定でも53.95 CPSと値は下がったままです。元の値からすると84%になっており、16%もの低減が観測されたことになります。

写真2: 2014年10月5日の測定状況

写真3:ピッチブレンドの重量測定

写真4:黒印と赤印を合わせて測定している様子

考察: 

これまで、ナノ銀による放射線低減効果は、セシウムとカリウムについて観測されてきました。
今回、別の実験者によって、ピッチブレンドに対しても放射線低減効果がありそうな結果が示された事になります。ナノ銀がピッチブレンドに対してどのように作用しているのか、特に表面より下の層に対してどのように作用しているのかは未解明ですが非常に興味を惹かれます。
もし、ピッチブレンドに含まれるウラニウムやラジウムに対しても放射線低減効果が発揮されるなら、世界や日本でも厄介モノとなっている放射性廃棄物の処理に大きな光明となるかもしれません。これを見ておられる研究者の方々にも是非追試をお願いしたいと思います。

参考: ピッチブレンドの放射線測定の様子(YouTubeに公開されている動画)

当実験での秒当たりのカウント数が高過ぎるのではないかと思ったのですが、ピッチブレンドは非常に強い放射線を出すらしく、このぐらいは出てもおかしくないようです。YouTubeには強烈な値を計測しているピッチブレンドの計測画像が色々とあがっています。

以上



8 件のコメント:

  1. 面白い実験です。この実験では、鉱石から出るガンマ線を検出しています。鉱石がナノ銀水溶液に浸っており、水はガンマ線の遮蔽効果があるので、CPS値の減少が、鉱石と計測器の間に存在する水の量の増大によるものか否かを検証する必要があります。言い換えれば、鉱石の容器内の位置と計測器の位置が常に一定なのか、変わっていた可能性があるのかということです。

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    1. コメントありがとうございます。
      今回の計測では、γ線もさることながら、β線もかなり出ているのではないかと思ってます。容器や水による遮蔽効果は、γ線よりもβ線の方に大きく出ると思います。

      しかし、今回の実験では、ナノ銀コラーゲン溶液を入れた状態での放射線の変化を見ていますので、水や容器による遮蔽効果は相対的な差分には殆ど影響しないと考えます。時間が経ったという理由で遮蔽効果が高まることはないと思います。

      計測位置についてはそれなりに配慮しています。容器の底に接着剤で固定したのは、その配慮の一つです。毎回、測定位置は同じになるようにしたと聞いてますが、角度まで配慮したかは確認していません。

      本当は測定器を固定したままで計測を続けられると良いのですが、素人ではなかなかそういう環境まで揃えられないのが残念です。

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    2. 角度について、実験者に確認しました。
      以下のように本文中にも追記した通り、角度についても同一になるように配慮されていました。

      測定位置を一定とするため、油性マジックでU8容器底面に黒印、Inspector+側に赤印を付け、測定時には2つの線「黒印」「赤印」が重なる状態で測定を行っています(写真4)。【2014-11-09追記】

      接着剤での固定も、マジックでの印付けも、過去の測定から得た教訓(位置が変わると線量も変わる)を活かしたものだそうです。
      今後も、更に工夫して精度を上げた実験を試みたいと言っていました。何かアイデアがあれば提案していただければと思います。

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  2. お久しぶりです。ネメシスです。
    大変興味深い実験ですね。
    これ、ナノ銀コラーゲン溶液に浸す試験用のピッチブレンドを
    ハンマーで粉々に砕いて(つまり表面積を増大させて)みたら、
    もしかして低減率に違いが出てくるのでしょうか?
    素人の思いつきですみません。

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    1. ネメシスさん
      ご無沙汰しております。
      ご指摘の通り、ピッチブレンドを細かくしてナノ銀コラーゲン溶液に浸してみる実験を友人が計画中です。

      記事に書いた実験では、おそらくナノ銀溶液は表面近くまでしか浸透していないと想像しています。そうだとすると、石全体で1割以上の放射線低減が本当なら、表面近くでは1割どころではない低減が起こっているのかもしれません(石の内部は変化してないでしょうから)。小さい石を使えば、中までナノ銀コラーゲン溶液が浸透して、もっと大きな低減率が観測できるのではないかと期待しています。

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    2. 楽しみですね。もし上手くいくのなら、福島の除線にも使えるかもしれませんね。

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    3. 本当の除染に使えるようになる事を願っています。

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